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まだ人気のある産院のロビーを出ると、
雨の匂いがした。
アスファルトを潤す独特の匂いが、
少し心地よい。
きっと、俺はこの匂いを一生忘れられないんだろうな。
また、雨の降り始めのアスファルトの匂いを嗅ぐと、
赤ん坊が生まれた日のことを思い出すのだと。
まだ、父親になっただなんて実感が湧かない。
でも、力強い瞳に見つめれて、
君を、
人生をかけて守ろうと思ったんだ。
かけがえのない家族だから……
ーEndー
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