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「3時5分終了だったよ」 「ありがとう、真坂さん!」 彼は戸惑う様子も無く、 分単位であっさりと答える。 私が時間に関わる質問をする度、 彼は寸分の狂いも無しに 答えてくれる。 実は彼、私が禁止するまでは 秒まで答えていた程だった。 凄い特技なんだろうけど、 時間に厳しい人と 思われて欲しくは無かった。 「どういたしまして」 彼は白い歯を見せてはにかむ。 時間を聞いて私は思った。 もっと早く顔を出せば良かった。 心の底からそんな後悔が沸いた。 「そうそう、嬉しいニュースだ。今回もお詫びの品が配られる」 「本当っ!?」 「勿論嘘は言わないさ。配布時間は、実は2分後……今日の零時だ」 私は前回配られた券でも ガチャガチャを引いていた。 結果、価値は期待できないけど 可愛い悪魔?の縫いぐるみと キュートな白リボンを手に入れ、 それからずっと愛用している。 だから“お詫びの品”が 気になって仕方がなかった。 久しぶりに零時が 待ち遠しくなった瞬間だった。
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