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なおみ
「今日は違うの。交通課に松田さんっている?」
受付
「いるわよ。ちょっと待ってね」
受付の女性は、交通課へ行って松田を呼んできた。
松田
「あっ、君は…」
なおみ
「こんにちは」
松田
「君、署長の娘なんだってね。今朝、署長に礼を言われてさ。だいぶ顔色よくなったね」
なおみ
「ありがとうございました」
松田
「よかったよかった」
松田は嬉しそうに笑った。
受付
「松田くん、なおみちゃんに恋したね?」
松田
「えっ?えっ?」
受付
「赤くなってる」
松田
「…」
受付
「だめよ、彼女は。彼氏いるんだから」
松田
「えっ!?」
受付
「松田君は知らないだろうけど、1年前までここで働いてたの」
松田
「そうなんだ」
松田は、次の休みの日に、前から約束だった、気晴らしになおみを誘おうと決めた。
そしてその前日に、なおみに電話した。
良子
「はい、北原でございます」
松田
「港署交通課の松田です」
良子
「先日はありがとうございました」
松田
「いえ、その後どうですか?」
良子
「お陰様で元気になりました」
松田
「代わってもらっていいですか」
良子
「お待ちください」
しばらくしてなおみが受話器を手にした。
なおみ
「もしもし」
松田
「あ、松田です」
なおみ
「あ、こんにちは」
松田
「明日、俺休みなんだけど、よかったら気晴らしに映画でも見い行かない?」
なおみ
「映画…ですか?別にいいですけど…」
松田
「じゃぁ9時に迎えに行くから。えーっと、君の家はどう行けばいいのかな?」
なおみ
「弥生町の弥生公園北口で待ってます。その近くだから」
松田
「じゃ、9時にそこってことで」
なおみ
「はい、じゃ、明日」
なおみは静かに受話器を置いた。横でそれとなく話を聞いていた良子は、2人の関係を気にしていた。
良子
「明日、松田さんとどこかへ行くの?」
なおみ
「うん」
良子
「竹本さんはどうするの?」
なおみ
「だって、あれから連絡ないんだよ?もう私のことなんて、きっと忘れちゃってるよ」
良子
「松田さんと付き合うにしても、竹本さんとのことをはっきりけじめつけてからでないと、大変なことになるわよ」
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