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なおみ
「うん。わかってる。松田さんとはそんなんじゃないから…。純二さんにも私からまた連絡してみる」
良子
「その方がいいわ。なるべく早いうちに…」
次の日の9時。なおみは約束通り弥生公園北口に向かった。
なおみ
「行ってきます」
英雄
「なおみはどこへ行くんだ?」
良子
「お友達と映画を見に行くんですって」
英雄
「そうか。ようやく明るさが戻ってきたな」
良子
「そうね。これも松田さんのおかげね」
英雄
「松田って誰だ」
良子
「ほら、なおみのことを助けてくれた交通課の…」
英雄
「ああ、あれをきっかけに付き合ってるのか?」
良子
「まだそこまでは…。竹本さんの事もあるし…」
英雄
「…竹本君からの連絡はまだないのか?いったい何をやってるんだ。そんな気持ちでなおみと付き合ってたのか?」
良子
「あなた、それは違うわよ。竹本さんはなおみのこと、真剣だったのよ。何かの間違いよ」
英雄
「そうだろうか。そうであってほしいものだ」
なおみが北口につくと、松田はもう来ていた。
なおみ
「おはようございます」
松田
「おはよう。ごめんね、突然誘っちゃって」
なおみ
「いえ…。誘ってくれてありがとう。最近ショックなことがあって、気が滅入ってたから…」
松田
「何かあったの?」
なおみ
「うん、ちょっと」
松田
「じゃあ、楽しい映画にしようか」
なおみ
「うん」
しかし、偶然にも同じ映画を俊彦とこずえも見に来ていた。
こずえ
「あれ?なおみ?」
なおみ
「あっ、こずえ」
こずえ
「なおみも見に来てたんだぁ、この映画。1人?」
なおみ
「…」
そこへ松田がなおみの近くに寄ってきた。
松田
「なおみちゃん、何食べに行く?」
なおみの前にこずえがいるのを見て…。
松田
「どうしたの?友達?」
こずえ
「なおみ、この人誰?」
なおみ
「み、港署の交通課の松田さん。ち、ちょっとお世話になって…」
松田
「松田です。なおみちゃんの友達?」
なおみ
「うん。親友なの」
こずえ
「なおみ、いいの?竹本さんにばれたら…」
なおみ
「…いいの。純二さんの話はしないで」
こずえ
「どうしたの?喧嘩でもしたの?」
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