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なおみ 「孝行も…、聞いてくれる?」 孝行 「わかったよ」 放課後、クラブが終わってから3人は、いつものようにサンレモンに立ち寄った。 なおみ 「実は…」 なおみは、純二のことを思い出し、悲しくて言葉を詰まらせた。 こずえ 「落ち着いて、ゆっくりでいいから」 なおみ 「うん。…実は…、純二さん…、…純二さんとはもう…、…別れるかもしれない」 孝行 「…またまた、そんなジョーク、俺達には通用しないぜ」 なおみ 「…本当なの。純二さんは誤解だって言ってたけど、純二さん、浮気してたの」 こずえ 「ええっ!?」 孝行は驚いて、持っていたストローをテーブルの上に落としてしまった。 孝行 「は…ははは、なおみの勘違いだよ。純二さんに限ってそんな…」 こずえ 「…なおみは、どうして竹本さんが浮気してるって思ったの?」 なおみ 「いつも私が行くと、必ず最初に部屋の掃除をするの。この間は、純二さんがしたとは思えないほどきれいに片付いてた。洗濯物の中に女性用の下着があったし、タンスの引き出しの中には…」 なおみはまた泣き出してしまった。 孝行 「タンスの中には…?」 なおみ 「…避妊具があった。…きっと私とできないから他の人と…」 こずえ 「まさか…」 孝行 「決定的だな。でも信じられないよ。あの純二さんが…」 こずえ 「でも、どうしてそのことと松田さんが関係あるの?」 なおみ 「…純二さんのことがショックで、何も食べられなくなって、道路で貧血で倒れたとき、たまたま巡回中の松田さんが通りかかって助けてくれたの」 こずえ 「で、見初められて一緒に映画を見に行ったってわけね」 なおみ 「うん」 こずえ 「なおみはこれからどうするの?」 なおみ 「どうするって…?」 こずえ 「このまま竹本さんと続けていくのか、松田さんに乗り換えるのか」 なおみ 「乗り換えるだなんて…。でも、私が頑張っても、もう…。未だに連絡が取れないし…」 孝行 「そんなことわからないだろ!!相手が純二さんだから、なおみのこと諦めたのに。純二さん以外の男と付き合うくらいなら、俺のところに来い!」 なおみ 「孝行…。ありがとう。もう少し考えてみる」
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