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純二 「俺…、なおみのこと、好きだよ。でも、なおみよりもっと好きになった人ができたんだ」 なおみ 「えーっ!?それってもしかして…」 純二 「なおみのことは真剣だった。でももっと真剣なんだ。わかってくれ」 突然純二から別れを告げられ、なおみはパニック状態に陥った。 しかし、純二の「ごめん」という言葉で、少し落ち着きを取り戻した。 なおみ 「…1つだけ教えて。その人のこと、愛してるの?」 純二 「…ああ」 なおみ 「…わかった。純二さんと別れるのは辛いど、純二さんが幸せになるんだったら、私は大丈夫だから。…お幸せに…」 純二 「なおみ…、お前はそれでいいのか?お前は、俺が他の女と付き合っても平気なのか?」 なおみ 「平気なわけないじゃない。でも純二さんがそうしたいって言うんなら、諦めなきゃ仕方ないじゃない…」 なおみは泣き出してしまった。 純二 「…泣いてるのか?」 なおみ 「…泣いてなんか…いないわよ」 純二 「…なおみ、ごめん。すぐ気がつくと思ったから…。…今日は何の日だ?」 なおみは泣きながら考えた。 なおみ 「…あっ、エイプリルフール…」 純二 「そう。だから、今言ったこと、みんな嘘」 なおみ 「う、うそ?」 純二 「驚いた?」 なおみ 「…ひ、ひどいよ。真剣に悩んでたのに」 純二 「ご、ごめん。ほんのジョークだったんだ」 なおみ 「バカバカバカ!!そんなこと、ジョークで言うもんじゃないでしょ!マジで振られたと思ったじゃない!」 純二 「悪かったよ。謝るから機嫌直してくれよ。これからは、もう嘘はつかないから」 なおみ 「ほんと?」 純二 「ああ。ただ…」 なおみ 「えっ?」 純二 「いや、関係ないことなんだけど、今日から俺の課に、女性刑事が配属になったんだ。その子がさ、どうも俺に好意を持ってるみたいでさ」 なおみ 「…そう。よかったわね、モテモテで」 純二 「俺は当然なおみ一筋だよ」 なおみ 「…よろしい…なーんてね」 純二 「俺は苦手だ。性格きついし、なんでも自分の思い通りにならないと気が済まないみたいで…」 なおみ 「でも、その人が今、純二さんの一番近くにいる女性なんでしょ?気をつけてよ。そういう人が一番危ないんだから」
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