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純二
「わかってるって」
なおみ
「でも今日はびっくりした。真剣に振られちゃったって思ってたよ」
純二
「本当にごめん」
なおみ
「もういいわよ。ごめん、明日またバイトなんだ」
純二
「そうか。わかった。もう切るよ。…愛してるよ」
なおみ
「…純二さん…。私も…」
純二
「じゃ、おやすみ」
なおみ
「おやすみなさい」
それから1週間後、なおみのバイトも終わり、明日から高校3年生になる。
なおみ
「ただいま」
英雄
「おかえり。明日から3年生だな」
なおみ
「うん。今年もしっかり頑張らなきゃ」
英雄
「明日、学校の帰りに署に寄りなさい」
なおみ
「えっ、どうして?」
英雄
「明日はお父さんの命日だろう。私も行くから」
なおみ
「うん。わかった」
次の日、なおみは学校の帰りにバイト先へ行き、給料を貰ってから港署に向かった。
なおみ
「お父さん」
英雄
「おう、早かったな。すまん、もう少し待っててくれ」
なおみ
「じゃ、一係に行っててもいい?」
英雄
「ああ」
なおみは、ウキウキしながら一係へ入った。
なおみ
「こんにちは」
西田
「あっ、なおみちゃん!久しぶりだなぁ。春休みでもちっとも来てくれないんだもん。淋しかったよぅ」
なおみ
「ごめんね。バイトしてたから…」
西田
「それはもしかして四日市へ行くための資金?」
なおみ
「そうよ」
その時なおみは、見知らぬ人が一係にいるのを見つけた。
なおみ
「あれ?この人は…?」
西田
「そっか。なおみちゃんにはまだ紹介してなかったね。4月1日付けで配属になった、春日祐一くんだ」
春日
「初めまして。春日です」
なおみ
「あっ、初めまして。北原なおみです」
春日
「北原?」
西田
「そっ!我が港署署長令嬢で、一係のアイドル的存在なんだ」
春日
「へー、かわいいじゃん。アタックしようかな」
西田
「だめだよ。ちゃんと彼氏いるんだから」
春日
「そうだよなー、こんなかわいい子、世間の男が放っておくわけないよな」
西田
「だろ?実は俺も狙ってたりして…」
なおみ
「と言うことは、誰かが転勤…?」
西田
「…そうなんだ。岩崎と市原がね。それに野村さんも…」
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