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なおみ
「今年は飛び石連休だから5日まで。あっ、お父さんから言付けがあるから、署に寄ってくれる?」
純二
「そうか。わかった」
名古屋駅を出発し、国道23号に入って一路四日市へ。北署には1時間強で着いた。
なおみ
「わーっ、久しぶりの北署だ。でも、今日課長さんお休みなんじゃ…」
純二
「大丈夫だよ。出勤日だよ」
なおみ
「よかった」
純二
「なおみが今日来ることは話してあるから」
なおみ
「そうなの?なんか緊張するな」
純二
「何で緊張するんだよ」
なおみ
「えっ?べ、別に…」
純二が先頭を切って捜査課に入った。続いてなおみが…。
なおみ
「こんにちは」
明
「やぁ、なおみちゃん。久しぶりだね」
なおみ
「あっ、陣内さん…でしたよね。去年はいろいろと…」
明
「えっ、なんかしたっけ?」
なおみ
「夜、痴漢に襲われて…」
明
「そんなのいいよ。仕事なんだし」
なおみ
「あっ、課長さん。ご無沙汰してます。これ、父から預かってきました」
山本
「これはこれは…。ご丁寧にありがとうございます」
明
「なおみちゃん、ちょっと…」
なおみ
「えっ!?何ですか?」
明
「4月にね、ここの課に女の子が入ってきて、竹本さん、狙われてるんだよ」
なおみ
「狙われてる?」
明
「その子、森田茜って言って、どうやら竹本さんに一目惚れらしいんだ。しょっちゅうアパートに出入りしてるらしいから、気をつけた方がいいよ」
なおみ
「…あ、ありがとう」
それを聞いたなおみを、不安が襲った。森田茜と言えば、去年の夏に来たときは、交通課にいた婦警だ。
なおみ
「純二さん…」
純二
「ん?どうした?」
なおみ
「…なんでもない」
純二
「何だよ、言いかけて」
なおみ
「ごめん、もうよくなった。ねぇ、アパートへ行こうよ。どうせまた、散らかってるんでしょ」
純二
「…そうなんだ、また頼むよ」
なおみ
「うん」
なおみは、明が言った事は、証拠もないので、今の時点では気にするのはやめようと思った。
しかし、アパートへ行ってみると…。
純二の部屋はすっかり片付けられていた。
なおみ
「…どういうこと?」
純二
「あ、あれ?おかしいなぁ。出るときはゴチャゴチャだったのに…」
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