6/114
前へ
/114ページ
次へ
なおみ 「今年は飛び石連休だから5日まで。あっ、お父さんから言付けがあるから、署に寄ってくれる?」 純二 「そうか。わかった」 名古屋駅を出発し、国道23号に入って一路四日市へ。北署には1時間強で着いた。 なおみ 「わーっ、久しぶりの北署だ。でも、今日課長さんお休みなんじゃ…」 純二 「大丈夫だよ。出勤日だよ」 なおみ 「よかった」 純二 「なおみが今日来ることは話してあるから」 なおみ 「そうなの?なんか緊張するな」 純二 「何で緊張するんだよ」 なおみ 「えっ?べ、別に…」 純二が先頭を切って捜査課に入った。続いてなおみが…。 なおみ 「こんにちは」 明 「やぁ、なおみちゃん。久しぶりだね」 なおみ 「あっ、陣内さん…でしたよね。去年はいろいろと…」 明 「えっ、なんかしたっけ?」 なおみ 「夜、痴漢に襲われて…」 明 「そんなのいいよ。仕事なんだし」 なおみ 「あっ、課長さん。ご無沙汰してます。これ、父から預かってきました」 山本 「これはこれは…。ご丁寧にありがとうございます」 明 「なおみちゃん、ちょっと…」 なおみ 「えっ!?何ですか?」 明 「4月にね、ここの課に女の子が入ってきて、竹本さん、狙われてるんだよ」 なおみ 「狙われてる?」 明 「その子、森田茜って言って、どうやら竹本さんに一目惚れらしいんだ。しょっちゅうアパートに出入りしてるらしいから、気をつけた方がいいよ」 なおみ 「…あ、ありがとう」 それを聞いたなおみを、不安が襲った。森田茜と言えば、去年の夏に来たときは、交通課にいた婦警だ。 なおみ 「純二さん…」 純二 「ん?どうした?」 なおみ 「…なんでもない」 純二 「何だよ、言いかけて」 なおみ 「ごめん、もうよくなった。ねぇ、アパートへ行こうよ。どうせまた、散らかってるんでしょ」 純二 「…そうなんだ、また頼むよ」 なおみ 「うん」 なおみは、明が言った事は、証拠もないので、今の時点では気にするのはやめようと思った。 しかし、アパートへ行ってみると…。 純二の部屋はすっかり片付けられていた。 なおみ 「…どういうこと?」 純二 「あ、あれ?おかしいなぁ。出るときはゴチャゴチャだったのに…」
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加