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なおみ
「じゃぁどうして…。いやっ、もう考えたくない!信じてたのに…」
純二
「君も誤解を招くような発言はやめてくれ」
茜
「…竹本さん、お昼にお弁当作ってきたの。一緒に食べよ」
なおみ
「純二さん…」
茜
「何してるのよ!邪魔よ!」
なおみは茜に突き飛ばされて倒れこんだ。それを見た純二が助けようとするが、茜に捕まって身動きが取れない。
なおみ
「…さよなら」
なおみは、カバンの中から純二への誕生日プレゼントを取り出し、純二に投げつけてアパートを飛び出していった。
純二
「なおみ!待てよ!なおみ!」
茜
「はい、あーんして」
純二
「やめろよ!」
純二は靴をはき、なおみを追いかけようとした。その時、携帯電話が鳴った。
純二
「はい、竹本です」
明
「事件です。すぐに来てください」
純二
「…わかった」
純二は、なおみを追いかけたが、純二が駅に着いた頃には、もう電車に乗った後だった。
純二
「くっそーっ」
その日の夕方、なおみは家に着いた。行ったその日に帰ってきたので、英雄と良子は、純二と何かあったとすぐに気が付いた。
なおみは、泣きながらアパートでの出来事を話した。話を聞いた2人は、信じられないといった顔をしていた。
英雄
「なおみ、大丈夫だ。何かの間違いだよ。私は、純二くんがなおみのことをどれだけ愛しているかを知っている。私が確かめてやるから、心配するな」
なおみ
「…うん」
英雄は、すぐに純二のところに電話した。アパートには、まだ茜が残っていた。
茜
「はい、竹本です」
英雄
「純二くんはいるかね」
茜
「ただいま外出しておりますが、どちらさまですか?」
英雄
「東京の北原というものだが…」
北原と聞いて茜は、ピンときた。
茜
「東京の北原…さんですか」
英雄
「失礼だが君は純二くんとはどういう関係なのかね」
茜
「私は…、竹本の婚約者です」
英雄
「そうですか。では、帰りましたら、電話くれるように頼めますか」
茜
「わかりました」
英雄は、静かに受話器を置いた。英雄もショックを隠しきれない様子だった。
なおみ
「お父さん、もういいよ。私が諦めればそれでいいんだから」
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