活動報告1。「バスケします。」

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次の日。 俺は生徒会室に向かった。 また今日もいつも通りかな… そう思いながらドアを開けた 「すいません間違えました」 部屋のプレートを見て生徒会室という事を確かめる。 生徒会室…だな…。 「なんで閉めたのよ」 ドアが開き水城が出てくる。 「普通は閉めるからな?」 言いながら中へ入る。 まず聞きたい 「なんで全員そんな格好なんだよ」 生徒会のメンバーは全員バスケのユニフォームに身を包んでいた。 ほんとに理解出来ない。 「それはだな修司」 先輩が立ち上がり近付いて来る。 「これを着てからだ」 俺に紙袋を押し付けてきた。 嫌な予感しかしないのだが。 「似合うじゃないか修司」 「なんでだよ!」 俺に渡された紙袋の中身はユニフォームだった。 サッカーの。 なんで着てしまったのか…。 しかもキーパーだったらしくグローブも付けている。 「ここまできたら普通バスケのユニフォームでしょ!?なんでサッカー!?」 「それを聞くか修司…」 「聞きますよそりゃ!」 いきなり先輩の表情が暗くなり、悲しそうに目を伏せた。 聞いてはいけなかったのだろうか、少し後悔し始めた。 先輩が顔をあげ辛そうに話す。 「それはだな…」 「はい」 「生徒会の人数だとメンバーが一人あまるんだ…」 ………。 は? 駿河先輩、夜崎先輩、水城、仁、愛人。 五人だ。バスケのメンバーは。五人だ。 「それだけ!?」 「それだけだと!重要な事だぞ!一人だけベンチだなんて悲しいじゃないか!だから修司にはサッカーで活躍してもらおうと…」 「3on3があるじゃないですか!」 次の瞬間生徒会室の空気が凍り付いた。 「なんという事だ…」 「やっぱり言われましたね」 頭を抱える先輩を横目に仁が言う。 「予想してたなら言えよ」 「めんどくさい。それにそっちのがおもしろいじゃないか」 満面の笑みでこちらを見てくる。 あ、やばい。殴りたい。 「まあ頑張れよ」 肩を手で軽く叩く仁の右頬に全力で腕を振り抜いた。 見事俺の拳がヒットした仁の顔―頭が宙を舞った。 静まり返る生徒会室。 皆の視線は床に落ちた仁の顔に集まる。 仁の顔は目を見開き、まるで恐怖と苦痛と驚愕を混ぜ合わせたような顔をしている。 「しゅ、修司が仁を殺しちゃった…」 「なんて事をしたんだ修司…」 「シュビッ、シュッシュシュビッ」 「修司、今すぐ警察行ってこいだって」 青い顔をして仁の顔と俺を交互に見る生徒会一同。なお愛人は絶賛気絶中だ。
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