活動報告0。「はじめまして。生徒会です」

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駿河会長は眼鏡を外し目を擦っている。 いつも思うがその黒縁かっこいいな。 いたって普通の眼鏡なんだろうけどな。 「いい加減その寝方止めて下さい。紛らわしいんですから」 「それは無理だ。無意識だから」 …言ってる事微妙だが無駄にかっこいいな、おい。 顔の角度で人の顔ってそんなにかっこよくなるんだな。 「で、なんだって」 「ああ、詳しくはこいつに聞いてくれ」 そう言って後ろにいた1年を指差す。 「駿河会長、日曜の大会に出てくださいお願いします!」 「…断る」 「そ、そんな…」 あーあ、だから言ったのに。 「1年、ちょっと」 駿河先輩からちょっと距離を置いて小声で話す。 「バスケ部はいくらならだせる?」 「え!?」 「あー、言い方が悪かった。いくつ焼きそばパン買える?児島ベーカリーのやつだ」 「えっと…。多分10個くらいなら…」 「そうか…まずは3個だな」 まあ、基本は3個で受けるが…ミスったな。 バッチリ聞かれてる。 すまんな1年、頑張れ。 「えっと…、駿河会長。焼きそばパン3個でお願いします」 「……」 「よ、4個で」 「…夜崎ー。去年の総会のプリントあるかー」 「…5個でどうです!」 「何時からだ」 変わり身早いな! てかレンズ光って一瞬曇りガラスみたいになったぞ、どういう仕組みだその眼鏡。 「…あ、はい!9時に市民体育館です!」 「分かった。部長によろしくな」 「はい!それじゃあ失礼します!」 1年は嬉しそうに去っていった。 駿河先輩はなんとも嬉しそうな顔をしている。 そんなに嬉しいか焼きそばパン。 「…今日も皆自由だな」 会長の視線の先には 「…どうしてそうなった」 テーブルの上に気絶しているらしい愛人。 その横に水のたっぷり入ったバケツを持ちあげている水城。 広辞苑を取りだしている夜崎先輩。 ドライバー、スパナ、ペンチなどの工具を持った仁。 何この光景。 「とりあえず全員持っているものを置くんだ。愛人に何をする気だ」 駿河先輩が言うと、全員素直に従った。 「仁、一体何があった。ていうか何をしようとしてんだ」 「何を言ってるんだシュウ。肉体改造に決まってるだろ」 「真顔でなんてこと言ってんだよ!」 「俺は真剣だが?」 「意味がわからないって顔するな!たち悪いわ!」 とりあえず愛人を起こそう。 「シュビッ!」 「うおっ!…なんですか夜崎先輩」 「ビッビッビッ、スー…シュビッ!」 「いや、分からないですって」 ほんと頼むから喋ってくれ。 意思の疎通が出来ん。
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