活動報告0。「はじめまして。生徒会です」

4/4
前へ
/7ページ
次へ
「シュウ、今先輩は『こうやって愛人を驚かしたら、つるってなってずてんゴチンきゅ~、ってなった』って言ったんだよ」 「なるほど。余計分からん」 夜崎先輩は喋っても意思の疎通が出来ないな。 擬音ばかりで分からん。 つまりはどういう事なんだ。 「つまりだシュウ。愛人は夜崎先輩に驚かされ、俺のドライバーを踏み、転んで頭打って気絶したってことだ」 分かりやすい説明ありがとう、仁。 「つまりお前のせいか」 「どうしてそうなった、シュウ」 「なんとなく」 「…ついさっき完成したからお前の部屋に仕掛けるぞ」 仁が黒い角砂糖みたいなものを取りだした。 「何だそれは」 「盗聴器」 「さっきのでかいやつなんだったの!?」 「え?あー、あれは…。説明は長くなるぞ?」 「一言で言ってくれ」 「透視装置、カメラ、録画機能付き」 「何に使う気だ!?」 「別に使わない、ただ単に作りたかったんだ」 さらりと言いやがった。 だいぶすごい事じゃないのか…? そう言うのはよく分からんが。 「ぅ…」 愛人が小さく呻いた。 目を覚ますみたいだな。 「お、気がついたか。大丈夫か?」 駿河先輩が聴く。 愛人はまだ意識がはっきりしていないようだ。 「…仁、水城、夜崎」 三人が一斉に動きを止めた。 …ドアの前で。 逃げる気かよ。 「どこに行く気だ?」 駿河先輩が低く言いながら人差指で眼鏡を押し上げた。 また曇りガラス化してるよ。 ほんとどういう仕組みだ。 「…足りない部品を買いに」 「さっき完成したと言っていたな?」 「おなか減ったから購買に…」 「お前の鞄の中にあるよな?無いなら俺の鞄にパンがある」 「シュビビッ。シュビッ。ビッビッビッ」 「それは今やる事じゃない」 駿河会長は三人の口実―夜崎先輩のは口実で良いのか?―を全て却下し、自分の目の前の床を指して 「全員正座」 あー…始まっちゃった。 駿河先輩の説教。 こりゃもう今日の活動は終わりかな。 「…えっと。時戸先輩、どういう状況ですか?」 「いつも通りだよ…」 今日も平和だな…。 多分…。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加