活動報告1。「バスケします。」

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活動報告1。「バスケします。」

日曜の朝。 普通の男子高校生なら付き合っていればデート。 友達がいれば遊びに行く事だろう。 だが俺はそんなリア充な訳では無い。 だから今日も一日ダラダラと過ごすつもりだった。 …どうしてこうなった。 「シュウ!こっちだ!」 仁が手を挙げ叫ぶ。 だかすぐに相手チームにマークされパスコースを防がれる。 「くそっ…!」 仕方なくドリブルをしながらゴールへ進む。 正面に相手が一人立ち塞がる。 どこなら抜ける…? 左…いや、あいつは右利きだ。 利き手側を通るのは危険か。 なら右…こっちも駄目だ。 後ろから一人来ている。 ならシュート… 「先輩!」 と見せ掛け、叫びながらボールを後ろへ投げた。 「任せろ!」 駿河先輩が俺の投げたボールをキャッチし、ゴールへ向かう。 ゴール前を守っていた相手は充分に引き付けていたから反応が間に合わない。 「はっ」 小さく息を吐きながら駿河先輩がシュートを決める。 まるでプロのバスケ選手のような綺麗さだ。 「ナイスパスだ。修二」 「ナイスシュートです。先輩」 軽く拳をぶつけ合いコート内に散らばる。 今の点数は36対35。 俺達のチームは一点差で負けている。 残り時間は27秒。 どこのバスケマンガだよ…。 そう思っている隙に試合が再開する。 相手チームは無理に点を取りにこず、パスを回しボールの保持に専念している。 どうやら逃げ切るつもりのようだ。 だが 「させないから」 仁がパスカットをしボールを奪う。 お前メカオタなのにスポーツ出来るんだよな。 「町田!」 仁がすぐにキャプテンの町田へパスを出す。 だが町田はキャプテンだったこともあり、すぐにマークされた。 まあそこは町田だ。 一人くらいならば余裕で抜く。 そのままドリブルを続けるが相手も今度は二人で止めに来ている。 町田はコースを完璧に塞がれる前にパスを出した。 「修二!」 俺に…。 ちなみに俺は今出ているメンバーで最弱だ。 マークすらない。 故に自由に動ける。 町田からのパスをキャッチし、ゴールへ向かった。 マークもゴール前にガードもいない。 横目で時間を見る、残り7秒。 チャンスは一回。 俺はフリースローの位置から、シュートした。 だがリングに当たりボールが跳ね返ってしまう。 終わった…。
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