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「大きいな……」
パンフレットで見たのよりも何倍も大きく見える学園に、優也は足がすくむ。
こんな場所に俺は通えるのか?
学園の面積は多分日本で一番広いんじゃないだろうか。
校舎も白をベースとした、まるで西洋のお城のような校舎。
ヤバい…………。
ここに来て緊張が止まらない。
だって確かここは小中高大のエスカレーター式の学園だったはず。
周りのみんなはもう顔見知りの友達同士だけど、俺は高校から入る、いわば表向きは新入生だけれど本当は転入生みたいな感じ。
いや……みたいな感じじゃなくて本当に転入生だな。
「おっはよ~!生徒のみんなぁ!」
俺がそんなことで校門の目の前で止まっていると、後ろの方から元気な声が聞こえ、俺は自然と声の方を向くと、そこには藤堂学園の制服を着た茶色の髪をショートに切った小柄な女の子が他の生徒達に手を振りながら歩いていた。
「おはよう副会長!今日も元気だな」
すると1人の男子生徒が副会長と呼びながら手を上げる。
「まぁね!私は元気だけが取り柄だからねっ!」
副会長と呼ばれた女の子も言われ慣れているのか、笑顔のまま周りに元気を降りまく。
やっぱり俺は浮いてるよな。
周りのみんなは久しぶり、とか、元気だったか?等と長期休み明けの感じで接している。
当たり前と言えば当たり前なんだけど、それにしてもこのアウェイを何とかしてほしい。
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