101人が本棚に入れています
本棚に追加
私のせいだ私のせいだ。
呪いのような黒々とした感情が心を染めた。
ふと鶴に目の焦点が合う。
苦しかったはずの生活に弱音を吐かなかった母が想起され、その途端に邪気は吹き飛び気持ちが晴れ晴れする。
もうこれ以上は被害者を出したくない。
そのためには母と向き合い、何を思いこの世を去ったか知る必要がある。
ぐっと五指に力を込め握りこぶしを作り元に戻す。
口元が緩んだ。
「あなたの母について知りたい。 父はどちらにいますか? 」
身を翻して答える。
最初のコメントを投稿しよう!