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「事態は深刻です 」
賢二に向けた真の声が機先となり、さらに続ける。
「あなたの娘さんに奥さんの霊が憑りついて悪さをしている。 周りが不幸になっているのです。 ですので、生前の里美さんはどのような方だったのか教えていただきたい 」
あらかじめ賢二に自分たちは霊媒師で娘の順子から相談を受けていて、それを解決するため面会する旨を伝えていたのだった。
だから目の前の男二人がいかにも胡散臭く見えたのだろう目をこちらに交互に泳がせ、そして順子の方へ顔を動かした。
彼女は真剣な表情で固く頷く。
その様子を見届けた賢二がおもむろに口を開いた。
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