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差し出すように寄せてきた真の手を払う。
「なんかないのか? 」
「何かって? 」
「悪霊を退治する別案 」
んー、と顎を指で擦り。
「‥‥あることには、あるんだけど 」
こちらが片方の眉を上げると、真の目が斜め上に泳ぐ。
別案は確かにあるのだろう。
それはできれば避けたい案で、誰かが危険な目に遭うもので、高い確率で順子である可能性が高い。
順子に危害が及ぶような案はこちらとしても取りたくない選択だが、彼女を救いたい、という人助けの気持ちが強く。
そうなったら、自分が全力で阻止する。
だから、一心に真へ眼差しを注ぎ、彼の言葉をただ待つ。
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