1人が本棚に入れています
本棚に追加
喪失の嘆きに飲まれ、憎しみの炎に身を焦がすのは簡単だ。
自分の真の仇。
仲間や多くの人々の不幸を招いた諸悪の根源。
世界を震撼させる生きた災厄。
魔王ダオスを討つ、それだけを考えて進んだ。
傷つくことなど怖くなかったし、傷つけることを迷う余裕さえなかった。
抑えきれない怒りに、己の身が焼き尽くされそうなとき---
いつも仲間の手が強く肩を抱き寄せてくれた。
ふざけ半分で励ましてくれた。
静かな優しさで包んでくれた。
だからこそ闇に堕ちるのではなく、光を求めて戦えた。
最初のコメントを投稿しよう!