34人が本棚に入れています
本棚に追加
一方、映司がクスクシエを出た頃
「おいおい?逃げるなよ……仲間だろ?」
「生憎だけど、根本的に目的が違うのよね、あたし達」
黒いコートに身を包む女性が自分を追ってくる男を見ながらウィンクをするが男の表情は変わる事無く鼻で笑う
「おいおい、俺は別にお前に用はない、あるのはお前の持ってるも……」
言葉が終わるのを待たずして女性は再び男の前から逃走をする。
日曜日の街中、すぐに彼女の姿を見失ってしまう。
「ふん、もう少し鬼ごっこに付き合ってやるか」
特に困った様子を見せる事無く男は橙色のマフラーをなびかせゆっくりと歩を進めて行った。
最初のコメントを投稿しよう!