34人が本棚に入れています
本棚に追加
とある古着屋から出てきた映司は上機嫌で手に持った袋の中を覗く
パンツ……それもなかなか複雑な柄の一品
「やっぱり店長、いいパンツ仕入れてるなぁ」
旅に出る為に一番必要な物を買い映司は気持ちを高鳴らせながら鼻歌を鳴らし曲がり角を曲がる。
「ちょ……どいっ!!」
「え……ちょっ!!」
曲がった彼の眼前には黒いコートの女性、避けられるわけもなく2人は激突した。
「あ、す、すみませんっ!!」
慌てて映司は倒れた女性に手を差し伸べ起こすと女性は映司を睨みつけるように目を細める。
「どこに目ぇつけてんのっ!?」
「す、すみません……パンツに目をつけてました」
パンツというのは勿論、映司が先程購入した物である。女性は特に怪我もしていないようなので映司は安心した。
「見つけたぜ、まあ、俺の一部を持ってる時点で見つけるのは簡単だけどな」
声のした方向には橙色のマフラーの男、彼はゆっくりと2人に近づいて来る。
「あんまり手かけさせんなよ?」
そう言った男はゆっくりと銀色の無数の塊に変わっていく。
最初のコメントを投稿しよう!