#Episode.2#

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最初に立ち寄ったのは、本来の目的でもある洋服店。 利用者の認知度も比較的に高く、服も流行品から一般的な服まで幅広く知られており、かく言う渋谷も使っていたらしい。 …もっとも、彼がまだニューハーフではない時の話しである。 「どれにしようかな?」 「何だって良いだろうが。お洒落したいってのか?」 「女の子だもん。お洒落する年頃なんです。それに…死に装束になるかも知れないし…」 ハンガーに掛けられた服を見ながら言う聖園は、どこか寂しげな笑顔で言うと、銀は鼻で溜め息をついた。 「(そう言えばコイツ、もう親が居ないんだったな…)──‥気に入ったのがあったら、何着でも持って来い」 「え…?」 「好きなだけ買ってやるって言ってんだよ。気が変わっても良いんだな?」 「本当に?ますます吟味する必要があるじゃん」 .
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