#Prologue#

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自分の部屋のドアの前に立つ銀は、鍵穴に鍵を差し込むも、その手を止めてドアの端を見た。 (誰か、居る…) 銀は外出時、玄関ドアに付箋[フセン]を付けてから出掛けている。 しかし、その付箋が今は無い。明らかに人の出入りがあった証拠だ。 理由は勿論、職業柄。 鍵穴に差し込んでいた鍵をゆっくりと抜いた銀は、音を最小限に抑えながらドアを開けて中に入ると、腰に差したナイフを手にした。 拳銃も携帯はしているが、狭い室内では接近戦になる場合もあるため、彼はナイフも常備している。 (…靴?) 玄関にきちんと揃えられた革製の靴を見る銀は、奥の部屋から人影が見えた。 (何者だ…?) .
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