君のおかげ

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ELSとの戦いを終え、各マイスター達が帰ってきた。 その中に、私の想い人(刹那・F・セイエイ)も居た。 MSドックに着くとみんなが集まって歓喜していた。 アレルヤとマリーさんは、お互い無事を確かめるように抱きつき イアンとライルは、刹那に「遅かったぢゃねぇか!」と笑顔で祝福していた。 そんな中 一人まだ悲しそうな顔をしたミレイナの姿があった。 「ミレイナ?みんなの所に行かないの?」 私の問いかけにミレイナは俯き 「あの中に、アーデさんも居て欲しかったです。」 ティエリア・・・ 彼は、ヴェーダの本体として世界を見守っている。 決戦中に彼女は彼に告白した。 彼は笑顔で「ありがとう。ミレイナ。僕も君に出逢えて良かったと思っている。」 と、彼女の告白に感謝しながらヴェーダとなった自分で彼女を縛り付ける事を拒み精一杯の言葉を話した。 娘をフったティエリアを イアンは怒ってたけど。 「ミレイナ。ティエリアも一緒だよ?いつも私達の側に居る。だから、大丈夫だよ?」 ミレイナを慰める私。 そんな事しか言えない自分を「ダメな姉だなぁ。あたし」 っと思ってしまう。 すると、ミレイナは意外な返答をした。 「はい!それは解ってるです!!ただ、あの中にアーデさんの姿があったらミレイナは嬉しいです。でも、此処に居なくてもミレイナはアーデさんを想い続けるです。」 彼女は本当に変わった。 笑顔でそう答える彼女は、私の何倍も強い女性だ。 すると、 「これは自分の気持ちを伝えきれないどこかのシャイな先輩へのアドバイスですぅ。ミレイナと違って、その先輩はいつでも伝えられるです。でも、恋はタイミングです。逃したら最後、永久に自分の物にはなれないですよ?」 えっへん!っと誇らしく言う彼女に私は何も言えなかった。 そう、彼は此処に居る。 彼が目を覚ました時、無意識に名を呼び嬉しさの余り彼に抱き付いた。 すると、彼も優しく抱き締めてくれて すごく心地良くて、嬉しくて、どこか遠くて・・・ 「グレイス、さ、ん?」 ふと、ミレイナが私の顔を覗き込んだ。 頬には小さな雫が一つだけ流れていた。
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