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ピー・・・。
彼の部屋のインターフォンを押すと
「フェルトか?」
と、声が聞こえた。
「お、お邪魔します・・・。」
声が小さくなって、顔が熱くて、俯く私に
「あぁ。好きにくつろいでくれて構わない。」
と、優しく私をもてなす。
すると、彼は暖かいコーヒーとココアをテーブルに置く。
「せ、刹那が飲み物を・・・」
私は、驚きを隠せない。
彼が飲み物でもてなすとこなど見たことがない。
「意外か?俺だって、このぐらいは出来る。それより、フェルトはココアで良かったか?」
私の好きな飲み物まで分かってる。
私より彼の方が情報収集能力が高いのでは?
私よりオペレーター出来るのでは??
少々、自信を無くしながら
「ありがとう。私、ココアが一番好き。」
と、返事する。
「ふっ。良かった。君のおかげで長い夢から覚められた。せめてものお礼だ。」
彼は、本当に自然に笑うようになった。
彼の言葉に顔が熱くなりながらも
「ううん。私は何もしてない。刹那が頑張ったから私も生きてる。」
「ありがとう。刹那。帰ってきてくれて。」
嬉しかった。本当に・・・
すると、彼は
「あぁ、フェルトがこうして手を握ってくれなければ、俺は目覚める事が出来なかったかもしれない。」
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