君のおかげ

8/8
前へ
/19ページ
次へ
「わ、私は・・・刹那の事が・・・好きだよ。」 彼は驚いた顔を見せる。 「私は、あなたに何もしてあげられない。けど、あなたが全てを背負うなら、私にも預けて欲しい。一緒に居て欲しい。これが私の気持ちだよ?解って・・・?」 全て気持ちをぶつけ俯く私に いつもの優しい声が聞こえた。 「了解。」 すると、彼は私を強く抱き締めた。 「もう、離さない。」と小さな声で囁く。 「ッッ!?ん・・・」 耳元で囁くかれた為、思わず声が出る。 「ありがとう、刹那・F・セイエイ。あなたを・・・愛しています。」 「フェルト・グレイス。君を、一生守る。」 お互いそう言うとどちらからともなく 顔を近づけて、唇が重なる。 気持ち良くて、いっそ彼にこの身を全て任せたくなる。 嬉しくて涙が溢れ、彼のジャケットを強く握り締めた。 「ふ。顔が赤い・・・。初めてだな、フェルトのそんな顔。」 小さく笑う彼に 「からかわないでよ。」と笑顔で返してみる。 「おかえり・・・刹那。」 ずっと言いたかった言葉を振り絞り言うと 「あぁ。」 と言うと、彼はもう一度抱き締めてくれた。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加