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「お嬢様。憂(うい)お嬢様。朝ですよ、起きてください。」
小鳥がさえずる、ある朝にある館の一室から少し低めではあるが優しい声が聞こえていた。
「憂お嬢様。起きないと遅刻してしまいますよ。」
その声は、黒いショートの髪に燕尾服を纏った青年から発せられたものであり青年の傍らには天蓋付きのベッドがあり中で茶色の髪の少女が眠っていた。
「(……毎朝ながら起きませんね。)」
青年は、少し悩んだのち部屋を出て行った。
すぐに青年は部屋に戻ってきたが手には紅茶が乗っていた。
すると青年が何度起こしても反応すらしなかった少女が紅茶の匂いに反応したのか、ゆっくりと目を開けた。
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