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城内の一室。そこに五人は入り、会議を開いた。
「どうする?」
「どうすると言われてもね」
「よもや、あの氷心の女王が恋などしようとはのう……」
五人は揃って「うーん」と唸り、途方に暮れた。
時間がない。
そう思い焦るのだが、打開策が出て来ない。
──そんな時。
『あちきに良い案がありんす』
壁に掛けてあった鏡が光り、声を発した。
驚いた五人が鏡に目を向けると、光りは収まり、鏡から、半透明の真っ白な着物を着たスノーにそっくりな女性が現れた。
「だ、誰でございますか?」
老人が聞くと、
『あちきは初代女王の雪(せつ)でありんす』
初代女王。
それはつまり、高名な雪女である。
『あの戯け者に、あちきの作った国を壊される訳にはいかぬでありんす』
五人は固まった。
まさか、伝説上の初代が現れるとは夢にも思わなかったからだ。
『そなたらも、この国を救いたい。あちきも同じ。なら、手を貸すでありんす』
ニッコリ笑い、雪は『さて』と、顎に指を添えて少し思案した。
数瞬思案した後、雪は五人に、
『まずは、あの戯け者のところへ』
と促した。
ハッとした五人は、「は、はい!」と声を揃え、玉座の間へと向かった。
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