本当の僕を分かってくれたのは君だけだった。

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夕方町で殺人事件が起きた、というニュースを僕は朝のけだるい時間に知った。パンにマーガリンを塗りながら母は呟いた。 「大丈夫かしら、こういう事件の後って模倣する人とかいるじゃない…。光希のことが心配で、私、ご飯も喉を通らないわ」 「大丈夫だよ、光希は男の子なんだから。それより、明日の…」 母の言葉を遮って父がさり気なく別の話題を出す。心配性の母と楽天家?な父、こういうフォローし合う関係こそ夫婦なのかと思いながら、僕は学校へ行った。
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