幻想と団地の連鎖

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しばらく彼はそのまま考え込むと、無言のまま湿布を手に取り私の首に張り付けた。 「冷たっ!!」 思わず声を上げてしまった・・・私。 それから包帯を私の首にぐるぐると巻き始めた。 「八雲さん、何か分かったんですか?」 前を向いたまま私は彼に尋ねる。 「・・・今はまだ分からない。が、一つ言える事は天海君しか加奈君を救うことが出来ない!!」 その彼の言葉に沙織と加奈ちゃんが、真剣な眼差しで私を見つめる。 「はい!!加奈ちゃんは私が必ず守り抜いて、花を地獄へ流します!!」 「天海ちゃん・・・」 「天海」 二人は声をそろえて私を呼ぶと、私も力強く微笑み返した。 「渡辺、交代だ!」 鬼塚は車のドアを開け、助手席にコンビニで買った袋を置いた。 「なかなか黒色らしい人物は現れないですね」 渡辺は運転席から降りると、鬼塚に席を譲った。 「好きですね~。牛乳とあんぱん」 「刑事が張り込むといったら、これが定番だろう?」 「はあ・・・」 鬼塚の自慢気な表情に対して、渡辺は少し引き気味だった。 「それより渡辺!連続死亡事故の捜査だが...やめだ」 「ええっ!!?急にどうしたんですか!!?」
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