病魔と霊障

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私が学校に着いた直後に、始業のチャイムが鳴り響く。 同時に、担任の先生が教室へ入って来た。 ギリギリセーフだった。 「それじゃ、出欠を取るから名前を呼ばれた者は返事する様に!」 それから次々と生徒の名前を呼称していく先生。 「吉岡!、吉岡美保!!」 返事が無い。後方の席が一つ空いていた。 「吉岡はまた休みか…」 先生は吐き捨てるように呟く。 そう、私のクラスに吉岡美保(よしおか みほ)という女子生徒がいた。 彼女は休みがちで、あまり登校しない生徒だった。 もともと病弱で、すぐ体調を崩しやすい生徒なのだが、以前彼女を見た時、頭の周りに白いモヤがかかって見えた。 当然普通の人には見えないのだけれど、私は気がかりだった。 頭の周りにモヤがかかっている場合は、何か精神的な病に犯されている事が多いのである。 はっきりと霊視はしてないけど、原因は霊障にありそうだった。
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