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やがて学校も終わり、私はクラスメイトの仙道龍巳(せんどう たつみ)君と下校していた。
彼とは幼なじみで家が近所なのだ。
取り分け付き合ってるとかそう言うのじゃない。
気心が知れた仲というか、兄弟みたいな存在。小さい頃は、よく公園で遊んだものだ。
私達はいつもの様に雑談しながら、国道沿いの歩道を歩いていた。
ふと前方にある歩道橋に目を向けた私。
そこには上から道路を見下ろしている、一人の女子高生の姿があった。
「吉岡…さん!?」
彼女はゆっくりと手すりに、両手をかけた。
そして身を乗り出すように、上半身を持ち上げる。
「危ない!!」
私は走りだすと、歩道橋の階段を駆け上がった。
「天海、どこへ行くの!!?」
龍巳君が、突然の私の行動に驚いて声をあげた。
吉岡さんは重力に身をゆだねると、上体を道路へ投げ出した!!
その時だった。
「吉岡さん、危ないよ!」
私の手が彼女の肩にかかったのだ。
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