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その夜の記憶はない。 ただ数日私は大学へ行かなかった、いや、行けなかった。 あの声が耳に残り、何も手がつかなかった。 実際に聞こえていた訳でなく、幻聴と気付くのに時間が掛かった。それほどまでに、べったりと耳の裏に張り付いていた。 なんとか私はまた大学へと向かった。 キャンパスの中では何も問題は無かった。久々に友人と言葉を交わし、一日を過ごした。 夕方、クラブへ行こうと足を向けると、その声がはっきりと聞こえた。   あー あー あー 私は思わずしゃがみ込み、両手で耳を塞いだ。 しかし直接脳に響くように声がする。  あー あー あー あー あー 我慢ならず、私はその場を離れクラブを休んだ。 また、声に憑かれたような気がして大学にも行かなくなった。 .
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