22人が本棚に入れています
本棚に追加
「おーい、クラウス」
ドアをノックする音と共になんとも情けない声が耳に入る。
「なんだよマーク?」
日記を付け終わると同時に来るとは、少し気味が悪い。
「入るよ、隊長さん」
少し癖のある黒髪のメガネを掛けた男、マーク・フォレストが部屋に入ってくる。
「明日、大丈夫なのか?」
「入ってくるなり何だよ」
言われなくても分かっている、明日は俺が隊長としての最初の仕事だ。
「俺はともかくお前、背負い込むなよ?」普段は薬でもやってるんじゃないかと思うほど騒がしいくせに、今日は妙に真剣だった。
「隊長だって所詮は人間だ、俺達はただ戦うだけだ。」
マークは黙り込んでしまった、隊長としてやはり態度を変えるべきだろうか?
「明日はオデッサに向かうんだろう?」
「いや、正確には違うらしい」
「どういうことだい?」
マークは興味深けに聞いてくる。
「向かうことには変わりないが、その周辺地域に集結しつつある連邦の各部隊の襲撃も目的だ」
「久々に暴れ回れるんだな!」
急に元気になりやがった、変な奴だ。
最初のコメントを投稿しよう!