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「厳しいな、クラウスは」
そう言いながらマークは格納庫の扉を開ける。
「おーい整備班、メンテナンスは終わってるかい?」
マークは愛機のザクに向かい走っていく、オイルまみれの床でよく転ばないものだ。
「俺達も自分の機体を見に行くとしようか?」
「はい!」
格納庫はメンテナンスドックもかねている、この独特の油と鉄の匂いにも慣れたものだ。
「マーティン、俺のグフはどうだ?」
「クラウス隊長!もう完璧ですよ、相変わらず細かい傷とかは目立ちますけどね……」
「そればっかりは仕方ないだろ、パーツも足りないしな」
肩をすくめながら俺は言い、グフを見上げる。
元々は深い青に染まっていたが、傷もあちこちにつき、色も落ち、灰色がかって見える。
武装の方も万全のようだ、ヒートサーベルには何度も救われた。こいつはもう立派な愛機だ。
「なんで隊長はドムに乗らないんですか?新型がせっかく配備されてるのに?」
「深い理由はねぇが、接近戦は得意だからな、昔からの戦闘スタイルだ」
もっとも作戦上危険なら乗り換えもするが。
「時間だな……パイロットは全員モビルスーツに乗り込め!」
俺はハッチを開け、グフを乗り込み、起動させる。
いつものように慣れた操作を行い、一歩前に踏み出した。
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