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予定地点からだいぶ離れた地点に着陸した自分たちの部隊は本部から周辺エリアの制圧を命じられていた。
「損害は大きい物でしたが味方の退路は確保出来ましたね」
あとは撤退命令が出るのを待つだけだ。返ったらまたウィルとトランプでもしよう、負けっぱなしは性に合わない。
「作戦はどうなってるんだ?隊長さんよ」
「詳しい情報は入っていないが、あまり戦況は良くないようだ……」
情報など何一つ無いと言うのに、隊長溜め息混じりに呟く。
「なぜそんなことが?」
俺は隊長に問いかけるが答えは返って来なかった。
その瞬間だった、ビーム兵器独特の発射音が聞こえ、隊長のザクが撃ち抜かれたのは。
「マズいぞ!敵が残ってやがった!」
ウィルと隊長の隣にいたオカートはマシンガンを構える。
「敵は……?」
俺はレバーを動かし、ヒートホークを掴み索敵を続ける。
コックピット内の熱気と緊張ですぐにでもおかしくなりそうだ、死んだほうがマシかもしれない、そんな事すら頭をよぎる。
「後ろ……」
ウィルの声は途中で途切れノイズに変わる。
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