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「じゃあ、行ってくるわ。」
尊は走り去って行った。その場所には翔子と美紀しかいない。翔子が口を開いた。
「ねぇ、美紀。あんた何様のつもりなの??」
急に翔子の口調が冷たくなった。美紀は驚いた。
“いつもの翔子じゃない”
「何って……。別にいつもと同じじゃない。」
「いつもと同じねぇ。」
翔子はニヤニヤしている。その瞬間、美紀は翔子に髪の毛を捕まれた。
「痛ッ、痛い。離してよ翔子っ。」
「離してあーげない。この長い髪を切ったら、尊君は何て言うかな?」
クスクス笑う翔子にゾクッとした。そしてハサミを取り出した。
「嫌っ、やめてぇ、お願い切らないでぇ。」
「やーだねぇ💕あんたの髪を切らないと気が済まない。」
そう言うと、ハサミを美紀の髪の毛に宛てた。
━━━ザクッ
━━━パサァ
美紀は頭の中が真っ白になった。
“尊に嫌われる”
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
美紀は泣いた。その様子を翔子は見て嘲笑った。
「良い気味ね。あんたは尊君に嫌われる。精々もがいてねっ。」
翔子は笑いながら去っていった。
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