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『………』
『…………』
会話が皆無。
朝途中で合流してそれから二人で学校に登校しているわけだが、会話がない。
手………手も繋がない。
私たちはまだ、あまり人がいない道を並んで静かに歩いている。
内心はもう、穴があるなら入りたい。
昨日までは彼の後ろを歩いていたのだ。
部活の朝練に毎朝行く彼を見るために、私は彼よりも早くに家を出て学校に行っていた。
まぁ、今日も行っているのだが。
『お前、いっつもこんな早いのな。まぁ、理由知ってるけど、よくやるよ。』
『………うぇ!?あ………うん!!!』
またもや知ってんのか!?
彼はエスパーらしいです。
『そんなに花が好きなのか??』
『………ん??』
は……花??
え………っとFlower?
フラワー???
『フラワー???』
『なんで英語なんだよ。』
『あっ、違うねん。いきなり、花ってきたからビックリしたねん。』
『いや、なんで関西弁?しかも、かなりぎこちない。つか、いきなりじゃね~じゃん。』
あっ、そうか。朝早くに行き過ぎてやることなくて、教室になぜか飾ってる花の水取り替えたりしてるからか。
『………なるほど。………違うんだよ。君が朝練に行く姿を見たくて早く家出て学校行っていたんだ。花も嫌いじゃないが、早起きしてまでしないよ。君と同じ時間に行くとそれぐらいなんだやることがあるとしたら。』
うん。珍しく長台詞。まぁ、説明って難しいよね。
うん。
『………』
『今日はそろそろ花が変わってるかな。しおれて来てたしな。』
『………』
『どうした?』
無言の彼が気になり見ると口元を押さえて俯いていた。
『………具合悪いのか!?び……病院!!!』
『違う違う!!違うから電話すんな!!』
真っ赤な顔で携帯を奪ってきた。
『お前が……変なこと言うからだ。』
『…変なことって……花がしおれてる?』
『もっと前』
『…まぁ、説明って難しいよね。?』
『そんなこと言ってないだろ。』
『あっ、そか。それは心の声だった。で、変なこととは?』
『もう、いいだろ。わかんないならわかんないでいい。』
彼はそう言って、顔をそらした。
手を口元にあてて。
彼は照れ屋で照れたとき口元に手をあてるらしい。
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