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次に目を開けたときには大半の生徒が教室に揃っていた。
彼も部活の朝練から戻っていて、ユニホームから制服に変わっていた。
『ガチ寝するとは、我ながらすごいな……うん』
『一人で何言ってんの?』
『良く寝てたね。』
私が起きると友人二人が寄ってきた。
『いや、我ながら学校で爆睡とはすごいなと感心してたわけですよ。』
『別に感心するほどでもないけどな。』
今しゃべったのは咲菜ちゃん。サバサバしていてカッコ綺麗な女の子。そこらへんの男の子より男らしい。
『まぁ、どこでも寝れる点では枕変わると寝れないよりは便利でいいんじゃない』
今しゃべったのは麻耶ちゃん。カワ綺麗な女の子。小悪魔な性格をしてる。常に男の子たちを連れ回している模様。噂によると女の子たちも何人か連れ回されてるらしい。
『そうだぞ。どこでも寝れるのは便利なのだ。』
『はいはい。あんたたちはそれでいいよ。』
咲菜ちゃんは呆れたように私たちに向かって言う。
『かなたちゃんと一緒にしないでよ。私は枕変わったら寝れない繊細な子なのよ。』
『知らんがな。』
『……結局、一番私をけなしてる?』
『けなしてるわけじゃないわ。私が繊細って言ってるだけよ。』
『『…………』』
麻耶ちゃんはニッコリと小悪魔な笑顔を私たちに向けている。
ふと彼のほうを見てみる。彼は何人かの男の子と女の子の集まりの中で笑っている。
何故彼は私を好きになったのだろう。
私だけがこんなに好きなんだろうか。
でも、それでもいいのである。
彼が照れ屋っていうのは多分私しか知らない。
『…………』
『…………!?!?』
ぽやっと彼を見ていた目が合ってしまった。
そして、彼はフワリと笑うと目線を反らした。
『…………』
『どうした?』
『顔真っ赤よ。』
咲菜ちゃんと麻耶ちゃんが心配そうに私を見た。
『……私は彼がどうしようもなく好きだと思う。』
『………』
『………』
『『……はぁぁあぁああ!?!?!?!?!?』』
咲菜ちゃんと麻耶ちゃんは大きな声を教室に轟かせた。
それでも、私はぽやっと彼をみていて、彼は私を見てニヤニヤと笑っていた。
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