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「ちょっとー、勘違いしないでよ。あたしだってね、そっち系の人間ってわけじゃないんだから」
ちょっと口を尖らせ、勘違いされたことを小林さんは怒ったけれど、入り口に人だかりを見つけると、すぐにパーっと満面の笑みに変わっていった。
「ほら、あれ!あの真ん中の一番背が高い人が副社長だよっ」
「え……?」
振り返った瞬間、その副社長らしき男性と視線が絡みあい、忙しかった周りの景色がまるでスローモーションのようにゆっくりと流れ始める。
ビビッと、何か電流のようなものが身体中を駆け巡っていく感覚に陥った。
場違いな輝きを放っている彼は、集団の中でも頭が一つ飛びぬけているほど背が高かった。
そしてその長身に見合わない小顔の持ち主でもあった。
まるでモデルのような容姿と、溢れ出す大人の気品。
目と目があったあの一瞬で、私は……彼に落ちた。
一目惚れだった。
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