30人が本棚に入れています
本棚に追加
僕らの胸の奥にある共通の思い出たちは、いつからか錆びてしまったようで、おはよう、と交わしたきり大した会話もなく同じ朝が流れる。
僕と彼女は同じドアから出て行くのに、いつからか彼女が帰るのは違うドアの、僕ではない人が待つ部屋。
そんな日々に耐えきれず、僕は言った。
「僕たちもう終わりなのかな?」
だけど決着を問えば出てくる答えはいつも同じで、
「…まだ一緒にいようよ。
最近、雑誌の星占いで恋愛運が最悪だから。
そ、そんなの関係ないと思うけど...」
「…そうなんだ...」
星占いも信じないような恐がりな僕らはきっと、これから先も1人になることを恐がって、こんなやりとりを繰り返しては本音を胸に忍ばせていくのかな。
最初のコメントを投稿しよう!