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「えーーー…、なんで葬儀会社なのさ」
「おまえ、おばあちゃんの葬儀の時、よく仕切ってたじゃないの」
「それだけかい…」
「いや、充分決め手です」
「えーーー…」
F県から戻り、すでに一ヶ月も過ぎようという頃のお話。
母はすでに入退院を繰り返していたけれども、まだ気力はあって話し込むと数時間はあっという間だった。
早くも離婚を経験した娘、きっと先行きを心配していたのだろうね。
長く勤められる会社、密かに彼女は探していたらしい。
「とにかく、応募してみなさいって」
「マジ…」
「マジ」
やれやれである。
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