聖夜のプロポーズ

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「もちろん……。 海晴は親友ですから」 よかった……。 これで大丈夫だ。 海晴はひとりじゃない。 「海斗……、透けてる……」 自分では分からないが、どうやら透けて見えるらしい。 「今、何時?」 「もう12時になるよ」 さぁ、これで終わりだ。 「海晴、おれが言ったこと忘れないでよ」 おれが笑顔を見せると、海晴も笑って応えてくれた。 「海斗、ありがとう。 私、がんばるから」 「頑張りすぎるなよな。 すぐパンクすんだから」 ちょっと軽口を叩いてやったら、海晴も楽しそうにしてくれる。 実際、そうだった。 悲しいときこそ、笑った方が明るくなれる。 「霧島さん、お幸せに」 「……ありがとう」 最後に長瀬に向き直り、ちょっとからかってやった。 「大変だったんですから、霧島さん泣かせたら呪ってやりますからね」 長瀬の表情が、一瞬にして凍りついた。 「き、気をつけます」 最後まで面白いやつだった。 「海晴、がんばれよ」 おれがそう言うのと共に、海晴のつけていた時計が12時を知らせた。 慌ただしかったが、おれの聖夜のプロポーズが、海晴への愛が、しっかりと届いていればいい。
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