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「なんだ…これ」
怪しい香りがプンプンする真っ黒な封筒が入っていた。
とりあえず手に取ってみると、表には「ESCAPE」という文字が白字で書かれていた。
真っ黒な封筒に、白い文字。
そのコントラストが一層と怪しい雰囲気を醸しだしていた。
「他には何も書いてないのか…」
「ESCAPE」の文字以外、差出人の名前も無ければ宛先も書いていない。
つまり、この封筒を直接郵便受けに届けに来たことになる。
「………やっぱやめとこ」
飯田は一瞬、まだ近くに封筒を届けた人物がいると思い探しに行こうと思ったが、どうもその気にはなれなかった。
「面倒臭い」
その言葉で全てが片付いてしまう。
直したい性格だとは常日頃から分かっているのだが、そう簡単に直るようなものじゃない。
…だが、その気になれば全身全霊をかける事もできる性格だという事も、飯田自身は分かっていた。
「とりあえず開けてみるか」
一度リビングに戻り、テーブルの上で封筒を開けてみる。
---ビリリッ。
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