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『うんうん、まぁ急に畏まっちゃってどうしたのかな柚子?』
今の自分が物凄いキモい顔をしているというのが普通に分かるが……そんなゲスな俺はまるで毎日アイドルの後をつけるストーカーの様なニタニタ顔で麗しの義妹に近づく。
『だからね………、えっとね………』
すると舌足らずで上手く言葉が捻り出せないのか俺の顔に萎縮しているのか柚子は何かを伝えようとするのである。
まぁ、可愛い妹が一生懸命話そうとしてるんだ。暖かく見守ってやろう、と思った僕は子供の成長に慈愛の眼差しを向ける父親よろしくな心境で柚子を見つめた。
『お兄ちゃんッ! 私ね、好きな人が出来たのッ!!』
……………。
………うん、大丈夫。全然焦ってない。全然焦ってないよ。大丈夫だ、問題ない。だから、うん、大丈bqあwせdrftgyふじこlp
『うぇぇぇぇぇぇぇッ!!?? ちょっ、柚子おま―――ッ!?
『名前はねッ、たけしっていってね、凄くカッコ良くて優しい人なのッ』
『たきゃしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッッ!ッ!!』
白雪を彷彿とさせる頬を朱に染め、顔を両手で隠しながらノロケ始めていく柚子。
ふざけんなよたけしッ! 僕の嫁、じゃねぇや………僕の嫁に手を出しやがって血祭りに挙げてやるわ畜生めぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!
『だから……だからね? たけしさんとの交際……キャッ、交際だなんて………気が早すぎるよう。でも…たけしさんが望むなら……うん…………ハッ! と、とにかくッ、お兄ちゃんに応援して欲しいのッ!』
……うん、まぁ言いたいことは沢山あるけど一つだけ言わせてくれ愛しの妹よ。
ふざけんなたけしチクショォォォォォォォォッ!!
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