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俺の推しメン・コナン丸は東京中野を拠点に活動しているソロのアイドル。
まだ華々しいデビューはしていないけど、地下アイドルにしてはなかなか人気のある彼女。そんな彼女を応援するのは楽しくて‥寧ろ俺の生きがいそのものなのだ。
「あ、そうだ浦正くん今日ね‥」
「なになに?」
『すいませーん握手は歩きながらでお願いします』
「あ‥ごめんね浦正くん!またね」
地下アイドルの握手会と言えど、会話はほんの数秒。剥がしの目は常に厳しく、逆らえない腕力。
ライブやイベントによれば、握手時間が5秒もないときもある。
でも今日はイベントにしては長い方だったかな。会話も沢山出来たし。 なんて考えて、ニヤニヤしながら駅まで歩く。
「あれー!闘青魂棒さんじゃないですかー」
後ろから声をかけられた。なにやら聞き覚えのある声だった。
「‥ああ!きゃんちさん!」
コナン丸の現場で出会ったドルオタ仲間のきゃんちさんだった。
‥あ、ちなみに「闘青魂棒」というのは、俺のネット上でのハンドルネーム。
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