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「では次は、どりい☆みんぐのステージでーす」
聞き覚えのあるグループ名と、隣のきゃんちさんの嬉しそうな声で我に返った。
コナン丸が掃けると、再びオタク達の持つサイリウムの光が映える暗いステージになる。
イントロが流れると共に、『どりい☆みんぐ』のメンバーがステージに登場する。
「あ!実はあの娘、推し候補なんです!」
きゃんちさんが勢いよくステージを指さして、違う方の手で俺の腕を掴む。
「ど、どれですか?」
「あのピンクの衣装のー‥」
その子を探そうと一生懸命ステージ上を探す。
ピンクの衣装‥
「・・・!」
「わかりますか?可愛くないですかあの娘!確か名前はー‥」
「・・・」
「‥闘青魂棒さん?」
無意識にも俺の目は、ピンクの衣装の娘など眼中にもなかった。
ただひたすら、その隣にいる黄色衣装の娘を、ずっと眺めていたかった。
目線は彼女に向けたまま、俺はきゃんちさんに問いかける。
「あのっ、あの娘!あの子はなんて名前ですか!?」
「え、どの娘?」
「黄色い娘!」
「ああ、たしかー‥」
「瀬口佳奈」
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