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「真琴と光にはもう会えないのかぁー。
何か、大切な仲間を失う気分で寂しいわ」
直樹さんが本気で惜しむから、「また男装しましょうか?」と危うく言いかけた。
板に付いたら婚期が遅れそうだからね。
言いません。
「アイちゃんは兎も角、弓は普通の女の子だからな」
お兄ちゃんが苦笑する。
もっと言って、<弓は女の子>って。
「アイちゃん、絶対ウチの山岳部来いよ」
アイの肩をガシッと掴む慎二さん。
えーとぉー……まさか泣いていないですよね?
「慎二しっかりしろよ。
なぁアイちゃん、弓が頭に問題アリみたいな事言ってたけど、ちゃんと勉強してるか?」
冷や汗がタラリと背中を伝い落ちる。
アイの名誉の為に、ちゃんと誤解を解いて事実を言わなくちゃいけないよね。
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