四章:気持ち

2/2
前へ
/81ページ
次へ
俺が蓮莠さんの頭を撫でていると、いつの間にか蓮莠さんはぐっすり寝ていた。 何時も蓮莠さんは『残虐の女王』『美しき眠りの姫』と言われている。 けど、今の蓮莠さんはどちらにも当てはまらない。 普通の青年だ。 蓮莠さんの事を余り知らない奴等は、安らかに寝る蓮莠さんに驚くだろう。 「蓮莠さんが寝ている間に、龍桜の情報でも取っておきますか」 俺はそう決めると、一度蓮莠さんを見た。 ッ!! 「泣かないでくださいよ……貴方に涙なんて似合いません」 俺は一粒の涙を流す蓮莠さんの目元を、優しく触った。
/81ページ

最初のコメントを投稿しよう!

371人が本棚に入れています
本棚に追加