371人が本棚に入れています
本棚に追加
血の匂いがした途端、俺は直ぐに蓮莠さんの目を見た。
『無』だった。
何も見てない。
光が宿っていない。
生きている意味さえも知らなさそうな目だった。
俺はその目に、蓮莠さんに恐怖と興味を持った。
蓮莠さんが転入してから一ヶ月後。
俺は生徒会会長になり、蓮莠さんは風紀委員長になった。
何事にも協力する為、蓮莠さんは俺に何度も喋り掛けて来た。
そんな蓮莠さんが憎かった。
大嫌いだった。
喋り掛けてきても、蓮莠さんの目は俺を見ていない。
蓮莠さんの声には気持ちが込もっていなく、淡々と喋っているだけだった。
多分誰も気付いていないだろうがな。
最初のコメントを投稿しよう!