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桜が舞うこの季節。
周りには俺と同じ服を着た人が次々と俺を追い抜いていく。
友達と話しながら歩く人や、音楽を聴きながら歩く人、明らかに服がブカブカで緊張からか足取りが不安定な人。だが顔は皆、笑顔だ。
ぶっちゃけた話、そんなことはどうだっていい。
人がどんなだろうと俺には関係ない。
俺は黙って桜を見る。
この道は周りが桜で囲まれてるので、あちこちから舞い落ちる桜がとても幻想的だ。
周りのざわつきが無ければもっといいんだが…。
俺はこの道が大好きだ。桜以外にも秋になるとイチョウや紅葉が周りを囲む。
この道を歩くことで心が休まった。
俺はただ歩いた。足取りは決して軽くはない。まぁ当然だろう。
なんたって今日は………………
校門前に着くと入り口前にデカデカと看板が掲げてあった。
そこには『入学式』と書いてある。
周りには先生が外に出て、俺たちに次々と挨拶をしていく。
校舎には『新入生、入学おめでとう!!』と何を考えたか、校舎にペンキで塗って書いてあった。
…………そう。今日は入学式兼、俺たち2、3年の始業式だ。
俺は深くため息を吐いた。
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